終わらざる夏 浅田次郎

暑中お見舞い申し上げます。 夏です、暑いです、、、、週末は、もうバテてしまった体力の回復のために、家でウダウダしております。
3冊ならべると表紙の絵全体像がわかります
夏といえば、浅田次郎の”終わらざる夏”を読み終わりました。  終戦直後のソ連千島進行の舞台となった”占守島”にまつわる人たちの、赤紙召集、子供の疎開、そして終戦前から終戦直後、占守島の攻防、シベリア抑留で幕を閉じる物語です。 ”終わらざる夏”は、”夏”を”戦争”と読み替えればぴったりでしょう。 

とても深く重い題材なのですが、浅田次郎、題材を背負いきれなくなりギブアップしたのか、重い題材を読者に投げつけようとしたのか、クライマックスでは意図的に表現することをやめた感じがします。  

浅田次郎、日本側だけでなく、ロシア人も登場させています。 ロシア人の家族にとっても、戦争が終わってからの戦死にはわりきれんものがあるでしょうね、、、終戦後の”占守島”をめぐる戦いの戦死者は、日本側600名、ロシア側3000名、、、 

おやじの親族もシベリア抑留されています。 おやじが若い頃、叔父に抑留の話を聞いたことがありますが、重い重い記憶であることは、聞いているおやじにも伝わってきました。 浅田次郎でも、そう簡単には文字には表せないほど重い事実である、ということなのでしょう。