京都 美山荘 (秋の摘草料理の昼食)

 ツアー二日目のお昼。 最後に訪れたのは、京都の奥山、花背(はなせ)の里にある「摘草料理」で有名な料理旅館。もとは大悲山峰定寺(だいひざんぶじょうじ)の宿坊であったお宿で、凛とした数寄屋造りが美しい。1日わずか4組のみをもてなすお宿、、とは来るまで知りませんでした。 とても由緒のある料亭旅館で、美味しんぼはもちろんのこと、司馬遼太郎の本にも登場するそうです。 現在の当主は四代目

下の写真は最初に出された料理です。 これであっという間に美山荘の虜になりました。大きく羽ばたいたような朴葉味噌に銀杏。銀杏はよく食べますが、この銀杏のお味は初めてでした。この料理だけでなく、初めての食感、初めてのお味に次々と出会うお料理でした。

美山荘は京都の山奥にあります。 京都駅からバスで1時間半は走ったでしょうか
京都の山奥は、独特の特徴がありますね。ほんとに天狗がいそうな感じです。
美山荘に到着
お玄関の生花、、侘び寂びの世界が見事に表現されていて、とても上品。 精神性の高さを感じます。
お庭を眺めながらの昼食。 春や冬は趣が増すのでしょうね。 この写真は食後のものです。
お茶は、あけび茶。 とってもまろやかなお茶です。 初めての舌触りのお茶でした。
先に紹介した銀杏味噌
お箸は、お宿の方総出で木を削って作ったものらしいです。
先付け
鯉の洗い 引き締まった洗いでした。 
大根おろしの上にかかっているのは、粉山椒
冷酒 料理のお味を引き立てるお酒でした。透明感のある控えめで爽やかなお酒でした。
八寸 山鳥茸かつぎ地卵味噌漬け 丹波小豆かるかん 川海老 粉もちこんにゃく 菊芋猪強いベーコン 黒川茸 鮎一夜干し どれもこれも手の込んだお料理で、どれもどこかにはじめての食感やお味が隠れていました。
秋おこわ
大黒しめじ むかご 百合根 くるみ 実山椒 椎茸 味の懐が深い。。
土瓶蒸し 出汁は雉!  はじめは柚子なしでいただき、次は柚子を絞っていただきます。 これも懐の深いお味でした。
焼き物 子持ち鮎 杉板焼き
杉の香りが沁みた鮎 香りでも楽しめたお料理でした。 
卵がパンパンにはっていました。 もっこりほくほくのお味でした。
炊合 海老芋 地舞茸 なめ茸 大根あさつき 下の写真は陳皮粉山椒
さーてご飯は
松茸ご飯 京北町の松茸だそうです。 もちろん美味しかった。
水物 代白柿 柿葉アイス  この柿は美味しかった。 完熟なのでむよむよしていて、皮もいただけました。 
菓子 焼板もち これも美味しかった。。。。。
ほんとに初めての食感、初めてのお味に次々と出会うお料理でした。 料理の工芸品という表現がぴったり。
そうそう女将さん!  鶴田真由に雰囲気が似た方で、口を開けば柔らかく澄ん声がお部屋いっぱいに広がり、山奥で仙女さんにお会いしたような気分。
中居さんもとってもチャーミングな別嬪さん。 ネットで見つけた先代の女将さんも魅力的な方で、料理だけでなく女将さんのファンは沢山いるでしょうね。おやじも家内もファンです。

美山荘、山奥のひとときのせいか、玉手箱のような思い出となりました。 気軽には来られませんが、是非もう一度宿泊で訪れてみたい。。。 

いい思い出となりました。

このツアーは一泊二日にしてはとても高価なのですが、
しだいに盛り上がるように組まれていて、
よく考えられたツアーでした。



京都大原 宝泉院(開門前の「額縁庭園」貸切拝観)

 ツアー二日目は、宝泉院開門前の「額縁庭園」貸切拝観です。

宝泉院は三千院の参道の奥にあります。 「きょうとー、おおはらさんぜんいん。恋に敗れた女が一人、、、」のあの歌は、この三千院の事だとやっと気付きました。

大原は京都の北で、清楚な雰囲気に包まれていました。恋に敗れた女性が心を癒しに訪れるという表現は大原を的確に言い表しているように思います。 いいところです。
駐車場から漬物屋さんが並ぶ参道を登ってゆきます。
三千院の周囲はまるで城のような石垣
三千院の門前は、金沢の兼六園に似ている印象でした。宝泉院は三千院の参道の奥にあります。
宝泉院の門
額縁庭園 部屋に入ると目の前にパノラマのように額縁に囲まれた庭が広がり、凛とした圧倒感に、私も皆さんも感嘆のため息をついていました。
少人数で拝観できるのはありがたいです。心ゆくまで眺めることができました。
紅葉に夕日がさす情景が最も美しいそうです。 もう一度秋の夕刻に来てみたいです。
宝泉院は、伏見の戦いで自刃した鳥居元忠以下数百名の霊を慰めるために、自刃した床板を天井にして祀り供養していました。 足跡や血糊が滲みになっていて、写真を撮るのは気が引けました。
宝泉院はツアーでなかったら来なかったでしょうね。また、貸切で額縁庭園を拝観できました。

次回は三千院も是非訪れてみたいです。





京都 妙心寺・退蔵院(閉門後の特別訪問/名店「阿じろ」の精進料理)

 夕食は、タイトルのとおり、妙心寺・退蔵院(閉門後の特別訪問/名店「阿じろ」の夕食)です。 ライトアップされた庭園に満月を貸切状態。 贅沢なひとときでありました。

閉門後なのであたりはもう真っ暗です。



退蔵院 元信の庭
狩野元信の枯山水庭園。 障子を開けると広がる庭園は演出効果抜群
この枯山水には、一年中変わらない美しさ「不変の美」を求め、常緑樹を主に植えてあるそうです。
説明してくださった副住職さんによると、長い年月で汚れてきた白い砕石を洗浄したそうですが、深さ15cmびっしりと敷き詰めてあったでそうです。


『瓢鮎図(ひょうねんず)』
禅問答を表現していると言われる「ただでさえ捕まえにくいなまずを、こともあろうに瓢箪で捕まえようとする。」この矛盾をどう解決するか、将軍義持が京都五山の禅僧31人に賛詩を書かせてある掛け軸。
さて、退蔵院の説明を聞いたのち、庭園を通って大休庵で「阿じろ」の精進料理の夕食です。

精進料理 おやじには珍しく、ゆっくりとゆったりと噛み締めながらいただきました。
割と味付けは濃いように思います。
一番印象に残った 達磨うどん 一見お蕎麦みたいですが、きなこで作った麺? 外側がぱりっとした甘くないモンブランみたいな食感でした。 お汁は家内によると、昆布、どんこ、かんぴょう、炒り大豆が出汁だそうです。さらに九条葱と生姜があわさっていました。 はじめてのお味でした。
なんとなく慌ただしい一日だったのですが、最後はゆっくり、ゆったりでき、気分はしだいに安閑としてきました。
満月の照らされた庭園を眺めながら、熱燗をちびちびとやりたいな。
ここのお庭にはたいへん立派な枝垂れ桜があります。 
桜満開の頃にもう一度訪れてみたいものです。 また貸切で、、


さて、この日の宿泊は、京都駅の真前にあるエルシエント京都。
家内は、いろんなところが考えられていて気に入ったそうです。 
大浴場の椅子や蛇口のお湯の量が完璧、Body Towelも備えている!
と喜んでいました。
おやじの感想は、限界ぎりぎりの狭さ、おやじもびっくりの小さなユニットバスに苦笑い。
駅前だから仕方がないか