武士道に感動そして感謝

3年生には、野球をいったん忘れ、受験勉強に邁進して欲しいのですが、どうしても書いておきたいたいことがあります。

中学野球部は、約2年間の活動期間です。 ある3年生の選手は、そのほとんどの期間を肩や肘の故障で過ごし、練習試合の出場もままならないなか、もくもくと練習を続けてきました。 最後の大会の2週間程前にやっと復帰。 それも投手、そしてエースナンバー。

おやじとおっかあは、大会直前の練習試合ではじめてその投手ぶりを見ました。 
投球よりも何よりも感心したのは、毎回終了時に、掘れたマウンドを綺麗にならし、一礼してからベンチに帰ります。  「礼」の精神、、少年野球のときのチームの教育なのかと思ったのですが、少年野球のときは投手ではなかったとのこと。

1回戦苦しみながらも勝ち、そして2回戦、相手は強豪チーム。 立ち上がりから調子はよくなく、球を置きに行けば痛打され、必死の形相で投げていましたが、投球数が増えるにつれて制球がままならなくなってきました。
そんな中でも決して投げやりな態度や、言い訳がましい態度、そんなそぶりは一切見せず、ままならない制球に困惑しながらも必死に投げ続けています。 ですが、同情無用の雰囲気、、、ファインダー越しに、勇気と忍耐の「勇」と、自己への「名誉」、チームへの「誠」の精神が透けて見えるようです。 「礼」「誠」「名誉」「勇」、、まさしく武士道。
ついに投手交代を告げられました。 いつもどおりマウンドをならし、帽子を取って一礼し、ボールを渡しました。 やっと投手という孤高の戦いからの解放。 さすがに降板後、気の毒なほどぐったりとしていました。 本当に疲れたのでしょうね。 無理もありません。 

大会に入る前あたりから食事がのどを通らなくなった、とあとから聞きました。 そのときの心情は、察して余り有るものがあります。

試合が終わったいまは、おおいに胸をはり、自分の頑張りを誇りに思ってほしいと願うしだい。 君の頑張りに感謝している仲間がいます。 そして、君の姿に感銘を受けたおやじとおっかあもいます。 本当に立派でした。
 ”チーム全員”で胸をはってくださいな。
途中の状況からは想像もできないほと、よい部活動のエンディングを迎えることができました。 親としては本当にうれしい限りです。 顧問の先生にも感謝の念を禁じ得ません。 今後の小田中野球部のご活躍をお祈り申し上げます。