この齢になって、耳なし芳一で有名な小泉八雲を読みました。 家内からは、「なんでまた、冬に怪談?」 当の本人もそう思ったのですが、ちゃんと読んでないしなぁ、面白いかも、と購入。
寝る前に少しづつ読み進めたのですが、ラフカディオ・ハーンは、日本人論を展開し、その一部としての怪談話、古い日本を賛美し、西洋化によってその良さが失われはじめたことを憂いていた、ということを知りました。
かなりの知識人で、造詣の深い人だったのですね。 怪談話を集めた風変わりな西洋人と思いこんでいたのですが、浅慮でした。
ハーンは、松江に住んだようです。 松江の両隣は、神々が集う出雲、ゲゲゲの鬼太郎の境港。 うーん、山陰は、お伽噺、怪談の宝庫なのでしょう。 一度しか行ったことがないのですが、再訪してみたくなりました。
最近、日本の良いところを取り上げるTV番組が多いのですが、ハーンが、西洋開花により日本の良さが失われてゆく、と憂いていた事と共通な点が結構あります。
TVが取り上げるのは、実は失なわれた日本の良いところを取り戻したい思いがある?? (この手の番組には、明らかなやらせや、必要以上に持ち上げている事が好きになれないのですが、、、)
日本人の魂の底にある美を賛美したハーン。 確かに、魂の底にある美を、磨きこそすれ、失わないようにしないとね。
怪談を読んでみるか、と軽い気持ちで買った本なのですが、ずっしりと重みのある本でした。