神風特攻隊で戦死した祖父の足跡を、孫があきらかにしてゆく物語です。 きっと、お国のために、のオンパレードかしら、と思って読み始めると、、
最初に名乗りでた「祖父」を知る人は、「あいつは、海軍航空隊一の臆病者だった。」、え?、臆病者と特攻が結びつかず、なぜ?、、そして、次にあった知人は、「確かに勇敢なパイロットではなかったが、優秀なパイロットでした。」、、特攻、臆病、優秀、、、この間を繋ぐものは何だ、とここから一挙に本に引き込まれて行きます。 責任感の強さ、家族、仲間、、、苦しかったでしょうね。 電車の読書時間が待ち遠しくなるほど先を読みたくなる本でした。
ただ、新聞社の姉や、恋人の発言があまりにも幼稚で白けてしまう部分があります。 祖父が亡くなったときの年齢の現代の青年の発言を幼稚にすることで、祖父の偉大さを際立たせようとしたのでしょうか、、、もう少し熟成して欲しかったかな。 でもおすすめです。