内田重久著「それからの三国志」 歴史に学ぶ”変化”

吉川英治の三国志にはじまって、柴田錬三郎、陳舜臣、北方謙三、、いろんな著者の三国志を読みましたが、孔明没後のことは、横山光輝の漫画三国志であらましを知っている程度。  この本は、本格的に孔明没後のことを書いたものです。
歴史に学べ、とよく言いますが、この本は、現在の日本やら、会社との二重写しで読めてしまい、身をよじるような思い。
スケールの大きな、劉備や曹操、孫堅、孔明が没してゆき、国を司る人材が、しだい、しだいにスケールの小さい人材へと入れ替わってゆきます。

創世記のスケールを持った英雄や人材頼りであった”国=英雄が引っ張る国”から、仕組みやシステムが構築されてゆき”国=システム”へと変化してゆく。

国の優劣は、富と人口で決まり、富は民衆と貴族を統治/登用するシステム、そして、リーダーで決まる。 スケールの大きい英雄のもと右肩あがりに伸びてゆく、そのときにシステムがつくられてゆき、安定期に入り、世代が代わるにつれ、リーダーは、独裁タイプから、実力を持ちはじめた貴族集団の合意を取るタイプへと変化してゆく。 そのような変化を遂げる魏→晋。
一方、劉備の理想や理念に共鳴した孔明。 そして孔明の遺言を必死に守り、孔明のレベルに追いつこうと孔明の延長線上で必死の努力を続ける姜維。 嗚呼、出るわけのない英雄を頼りとしたシステムのままの蜀。
古いシステム、富、人員数、人材の少ない蜀がまず滅ぶ。 呉は、台頭してきた貴族集団をコントロールする術がなく、同様にあっけなく滅びてゆく。
理想や理念を頑なに守っても”変化”できない国は滅ぶ。 その変化とは何か、、、組織の長、リーダーのタイプ、リーダーを生み出すシステムが変化してゆくこと、と歴史から学ぶことができます。 現在の日本の社会、会社、実に耳に痛いことだと思います。 
現在、実力を持っている集団は? その集団をリードするリーダーのタイプは?  そのリーダーを生み出せるシステム、仕組みになっているか?  過去の成功例をそのまま踏襲しようとしてないか?  何も考えず過去のまま変化しない、変化をコントロールしきれていない、=滅びますョ。 と歴史が語りかけているようです。 

一方で、人物としては、愚かだな、と思いつつも、過去の偉大なリーダーに追いつきたい、と頑張る生き様に美学を見出してしまいます、、、、信念を持つ、これも大事、、、、さぁてと、、、
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